記憶するために忘れる?!覚えるまでの驚くべき仕組みとは?

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ちゃんと記憶しておきたいのに、 すぐに忘れてしまうことに悩んでいませんか?

「覚えたはずの事をすぐに忘れちゃう、、」
「一度会ったことある人の名前を忘れてしまって、恥ずかしい想いをした、、」

一生懸命覚えたはずの事や少し前の事なのに、なかなか思い出せず、
なんでこんなに忘れっぽいのだろう、、なんて思うことがありますよね。

実は「忘れる」プロセスは、覚えるために必要不可欠なんです。
「記憶する」ために正しく使いこなせば、記憶力を上げることもできます。

そこで今回は、

●記憶することと密接な関係がある「忘れる」メカニズム
●多くの記憶のプロ=メモリーアスリートも実践する記憶力をあげる方法

について、詳しくご紹介していきます。

「忘れる」というメカニズムを知って、記憶力をあげる方法を身に付けていきましょう。

目次

1.忘れるメカニズムとは
1.1 海馬の働き
2.記憶のメカニズムとは
2.1 記憶の種類
2.2 古代から受け継がれる記憶術「場所法」
2.3 エピソード記憶
3.まとめ

1.忘れるメカニズムとは

記憶のプロが使うテクニックを紹介する前に、「忘れる」メカニズムについて簡単にご紹介します。

「忘れる事が多くて、自分って、なにかおかしいのかな、、」
「忘れやすい私って、記憶力を上げることはできないのかな、、」
そんな人も多いのではないでしょうか。

実は人の記憶は、1時間で半分、1日で約7割近くも忘れるようにできています。

これはもしかしたら聞いた事がある人も多いかもしれませんが、
ドイツの心理学者であるエビングハウスの忘却曲線という表によっても、
「忘れる」という事がごく自然な事であると証明されています。

学術的にも証明されていながらも、
多くの方が悩む「忘れる」という機能は
実は脳にとって、そして相反するように見える「記憶する」という事にとっても、
とても大切な機能なんです。

1.1 海馬の働き

脳の中にある「海馬」という部分が、忘れるという時に大きな役割をになっています。

海馬の働きを非常に簡単に言ってしまえば、「記憶の整理をする」ことです。

人には毎日膨大な量の情報が入ってきます。
それを全て記憶していてはどんな人でも、ショートしてしまいますよね。

そこで海馬が 「この人の名前は会社の上司だから、絶対に忘れないようにしよう」
「今日行った場所はもう行く事はないし、生活にも支障がないから、必要ない」
といったように、情報の「必要」「不必要」を決めてくれているんです。

つまり海馬によって、不必要と判断された情報=「忘れる」事によって、
記憶が整理され、より効率的に必要な記憶が引き出せるようになるんです。

例えるなら、
あらゆる物で散乱した部屋の中から、その日必要な書類を探すのはすごく大変です。

しかし、不要なものを全て捨てて、一つ一つの置き場所が決められ、整理された部屋からなら、書類を見つける事は簡単ですよね。

このように「忘れる」という機能は人間にとって、とても大きな役割を担っているんです。

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2.記憶のメカニズムとは

記憶のメカニズムはすでにお気づきの方も多いかもしれませんが、
「海馬の働き」「忘れる」事にに大きく関係しています。

忘れる=海馬に「不必要」と判断させるという事になるので、

記憶するという事はまさにこの逆、
海馬に「必要」と判断させればいいんです。

では、どうやって「必要」と判断させるのか、ご紹介したいと思います。

2.1 記憶の種類

記憶には大きく分けると
「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」の3つがあります。

このうち海馬に「必要」と判断された記憶は「長期記憶」に分類され、
分類された長期記憶はいつでも取り出しができる状態になっている記憶です。

つまり
海馬に必要と判断される=「長期記憶」になるわけです。

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2.2 記憶のプロ=メモリーアスリートが使う長期記憶術「場所法」

世界に10万人以上いると言われるメモリーアスリートの9割以上が使っているのが、 この「場所法」というテクニックです。

メモリーアスリートとはイギリス発祥の記憶力を競うメモリースポーツの競技者の事です。日本ではまだあまりメジャーになっていませんが、世界40カ国以上で大会も開催されています。

この「場所法」はノーベル賞を受賞した研究によって、
「場所」は人間の生存本能に関わる情報であり、最も忘れにくい記憶として、
脳科学的に証明されています。

実際にこのテクニックを使って、
当記事を監修する記憶の学校講師はギネス記録や記憶力日本一になっています。

そう聞くとすごく難しいテクニックのように思えますが、
テクニックの仕組みはすごく簡単です。

自分が通っていた小学校への通学路を頭に思い浮かべてみてください。

時間が経った今でも、
家を出てまず交番があって、その横にはポスト、通り過ぎて、横断歩道を渡って行くといつも吠えてくる白い犬がいたな、など学校に着くまでの道のりを鮮明に思い出すことができませんか?

メモリーアスリートのように、数字を1,000桁以上覚えられるようになるまでには、年単位の時間をトレーニングに当てないといけませんが、

普段の生活に生かしていく事は、今からでもできるようになります。

「場所法」については、初めての方でもわかりやすく、「場所法」をマスターできる記事を用意しています。

ぜひ読んでいただき、世界一の記憶術をマスターしてみてください。

関連記事古代ギリシャから天才たちに受け継がれている究極の記憶術『場所法』とは?

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2.3 エピソード記憶

場所法に
「エピソード記憶」を加える事で、脳=海馬に更に長期記憶として保存させやすくなります。

「エピソード記憶」とは
イベント(出来事)と感情がセットになった記憶のことです。

実はこの「場所法」に「エピソード記憶」を加える事は自然とみんながやっています。

特にわかりやすいエピソード記憶は恋愛感情です。

・初恋の人と一緒にいった映画デート
・初めての彼女といった花火大会
・好きだった人に大雨の中、公園で振られた夏

その他にも家族旅行や友人との喧嘩、部活動やスポーツ大会での出来事などは 強く記憶に残っていますよね。


これらは


・初恋の相手とのデートで、着ていく服や話す話題が途切れないように話す事を考えていたりして、ドキドキしていた感情

・初めてできた彼女の浴衣姿に緊張しすぎて、転んで怪我をして、恥ずかしかった感情

・好きだった人にどうしても伝えたかった気持ちを伝える前に、ボコボコに振られてしまった悲しい感情

・小学生の頃、毎年家族で行っていた温泉旅行での楽しい感情

・夏の甲子園で、自分のエラーで負けてしまった悔しい感情

記憶を引き出せばキリがありませんが、
感情が混ざっている記憶は海馬が大切だと判断し、長期記憶として残っています。

逆に
その記憶から感情を抜き取る事ができれば、
海馬は「不必要」と判断し、「忘れる」事ができます。

とは言っても、
言葉でいう程、感情を抜き取るというのは決して簡単な事ではありませんよね。

なので、多くの人は新たな感情で上塗りをして、忘れたい感情を薄めたりする事で、
長期記憶を抜け出そうとするわけです。

それ程、「エピソード記憶」の力は強力なんです。

もし覚えたい事で感情とセットにする事が難しい時は、好きな食べ物を食べたり、好きな音楽を聴くなどして、その時に感じた感情を一緒に記憶すると効果的です。

ぜひ、強力なエピソード記憶の力を活用してみてください。

3.まとめ

実は関係がとても強かった「忘れる」と「記憶する」という機能。

ここまで読んでいただき、いかがだったでしょうか?

今まで、多くの人が悩んできた「忘れる」「記憶する」という機能は
仕組みとテクニック、コツを知ることができれば、うまく活用できるのがわかって頂けたと思います。

人は悩む時、その対象を一つの方向からしか見えなくなってしまう生き物です。

悩んだ時程、その答えはすぐ近くにあります。

今回も、一見、「忘れる」と「記憶する」という事は対義する言葉であり、
どちらも誰しもが身近な機能ではありますが、

忘れるメカニズムを知る事で記憶力がよくなるなんて、想像がつかなかったのではないでしょうか。

ですが、答えの一つはそこにあったんです。

悩んだ時は「そんなはずないだろ」と思ったとしても、
一度すぐ近くを見渡してみてください。

そして、
当ページでもご紹介した「場所法」もみなさんのすぐ近くにあります。

こちらを活用した記憶術は、
スキマ時間にスマホを使うだけで、学ぶ事ができますので、ぜひお試しください。

きっと多くの方々が「記憶力が向上する事」を感じて頂けるはずです。

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この記事を監修してくれた記憶コーチ

大野 元朗プロ
記憶の学校 代表
大野 元朗プロ
(おおの もとろう)

『最も多く記憶したオセロ盤の数』におけるギネス世界記録保持者

2015年:記憶力国際資格”IMM”取得
2016年:記憶力日本選手権優勝
2017年:記憶力世界選手権 18位

“日本一記憶力が良い男”として、
TBSやフジテレビ、ラジオ局からの依頼が絶えないメモリーアスリート。
世界記憶力選手権にも出場を果たし、2017年にはギネス世界記録を樹立。

その他にも記憶術を用いて各自の目標を達成し
人生を豊かにさせるための講演活動や指導を
行っているメモリー教育のトップランナー

【TV出演歴】
・フジテレビ『めざましテレビ-キラビト-』出演
・フジテレビ『10ミニッツ』 
      
・TBS 『ピラミッド ダービー』出演
・日本テレビ『シューイチ』